

茨城県常陸太田市里美地域は、原風景の残る小さな農村。観光地として多くの人が訪れたり、有名な特産物があるといった土地ではありませんが、有名な観光地、特産品に劣らない魅力ある景観や、歴史を紡いできた郷土料理など、静かで温かい生活をおくるための様々な要素が、当たり前に存在しています。
しかし現在、里美地区では過疎・高齢化により空家が増加し、集落のコミュニティ崩壊が危ぶまれています。特に古民家は長い間使われなくなると、再生不可能になるほど腐敗し、積み上げてきた歴史が消えるばかりか、危険をともなうことも。
そのような空家を持ち主より借り受け、再生し、地域発展のために有効に活用する活動を試みているNPO法人が設立され、空家を活用する活動を行なっています。田舎へ移住することの第一歩として自由に使っていただいたり、農的生活を短期で体験していただいたり、里美の空家は、多種多様な農村体験の舞台として、そして学びの場として、大事な資源となっています。
そして、この空家の活用手段として多様なツーリズムプログラムも用意。内容は都市住民、交流希望者のニーズに基づき研究・構成すると同時に、過剰なサービスではなく、その地域の日常を体感してもらうことを心がけています。ありのままの自然の魅力、地元の人間のあたたかさ、地産地消の郷土料理、そして地域の抱える現実に触れてもらうことが、“農村ホスピタリティ”であり、お互いにとって本当の学びにつながっていくことでしょう。
常陸太田市は、茨城県の北東部にあって県都水戸市から北へ20km、東京から120km圏に位置しています。昭和29年7月に1町6ヶ村が合併し常陸太田市が誕生し、翌年、世矢村と河内村を、さらに平成16年12月に金砂郷町、水府村、里美村を編入して現在に至っています。平安末期から約470年間は北関東の豪族佐竹氏の拠点として発展し、その後は水戸藩の要地として特に重視されたところから、市街地の台地を中心とした周辺には佐竹氏に関係の深い社寺や、西山荘・瑞竜山など徳川家に関する史跡が多く残されており、やすらぎを感じる落ち着いたまちです。